こんにちは。
今週は羽化がなく、また、幼虫の回収も一息ついたので、以前少しだけ触れた冷蔵庫を使った保温設備についてご紹介したいと思います。
この方法は、誰にでもできるわけではないと思いますので、あくまで「こんな方法もあるんだ」程度で軽く斜め読みしてください(笑)。
なお、今回は温度管理そのものには触れていません。そちらは以前の記事「
オオクワガタ:皆さん、温度管理はどうされていますか? - mamo-chin’s blog
」をご覧ください。
この管理方法を知ったのは、今はもう閉鎖されたあるサイトを見つけたことに始まります。
成虫飼育そのものはショップ(BIG HORN様)で伺ったものの、ブリード方法や幼虫管理をネットでチェックすると、夏季と冬季の「温度管理」ができないと大きくならないとのこと。
当時、風通しの悪い狭い賃貸マンションに住んでおり、一室をエアコンで周年管理するわけにはいかないため、省スペースで何か良い方法がないかネットサーフィンをしていたところ、この冷蔵庫を使った温度管理方法(保温設備)を紹介していたそのサイトを見つけました
この方法の場合、当時の家に置くことはできないのですが、車で15分ほど離れた実家納屋はスペース的に十分に余裕があり、また、離れていても温度管理は機械が自動で行い、且つ、停電等による対応も必要ないため手間がかからないとの記載があり、私のニーズに一致していたため、多少イニシャルがかかるようでしたが思い切って導入することにしました。親への説明として、「孫に合う機会が増える」と言うと、二つ返事で了承してくれました(爆。実際そうだったしね)。
その後、そのサイトを参考に中古の中型冷蔵庫、逆サーモ(サーモ・コントローラー)、ピタリ適温3号を粘り強くヤフオクでチェックして主に中古品を購入、当初は1セットだけだったのですが、結局クワガタ飼育にハマり、現在は3セットあります(爆)。以下画像は、昨日の3号機の画像です。大半は幼虫ですが、中央あたりにある逆さに置いたM瓶は羽化待ちのS.ako/jrのDラインです。
この設備の温度管理(保温)イメージは、夏場は冷蔵庫の冷蔵機能を使って「減温(冷房)」、冬場はピタリ適温で「加温(暖房)」するというものです。
また、もともと冷蔵庫には保温機能があり、普通の使い方をしていても四六時中動いているわけではありません。そのため、オオクワガタ飼育用とした場合でも、盛夏期の日中や厳冬期は冷蔵や加温をしますが、ずっと動いていることはないのです。特にオオクワガタを飼育する適温、外気温が25度ぐらいの時期ですとそれらはほどんど動きません。なので想像以上に電気代はかかりません。
そしてその減温・加温を司るのが「逆サーモ」です。こちらも先述のサイトで知ったもので、以下画像は、数か月前の羽化促進のための加温時期のものです。
左上の窓が現在温度、その下の小さな窓が設定温度です。温度は0.1℃単位で設定でき、その設定温度の±0.5℃を超過すると、冷蔵庫或いはピタリ適温にスイッチが入り、設定温度になるまで減温或いは加温します。優れものですよね!
真ん中は、ヒーター(ピタリ適温)とクーラー(冷蔵庫の冷蔵)のどちらが動いているかを示した窓、右が温度設定するためのボタン(UP or DOWN)です。
機械の下のコンセント類で、左がピタリ適温2枚分、中央部が冷蔵庫の物で、右のコードの先には温度センサーが付いており、それを冷蔵庫の中に入れて温度を計測管理しています。
現在もこの逆サーモは販売されており、新品の実勢価格は2万円強しますが、私の場合はヤフオクで粘り強くチェック、1万円弱で中古品を購入しました。安い時は5,000円くらいで購入できます。
次に当家の冷蔵庫の仕様は、以下画像のとおりで、冷凍庫は使わずに冷蔵室のみを利用しています(まあ、当たり前ですか)。
価格は、当時でも20年落ち位の中古冷蔵庫なので、ヤフオクで3,000円/台程度で購入できたのですが、本体より輸送費(宅配料)の方が高額で5,000円程度していたと記憶しています。
この冷蔵庫(冷蔵室)の場合、M瓶(♂)だけであればMAX46本、S瓶(♀)だけであれば72本、M瓶優先でS瓶混載であればM瓶42本のS瓶28本の合計70本詰め込むことができます。
ただし、瓶を詰め込み過ぎると冷蔵の「効き」が悪くなります。冷蔵庫の取扱説明書にも記載されていますよね? よって、上記MAXの80%程度しか瓶を入れないようにしています。
※私みたいに3セット設ける馬鹿も少ないと思いますが、冷蔵庫と壁との隙間をあけることも必要です。私の場合、冷蔵庫と冷蔵庫間は20cmほど空けています。
また、私のように納屋という断熱材の無い空間に置いていると屋内に熱がこもって高温となりやすく、一方で冷蔵庫は冷蔵温度(設定温度)と屋内温度の差が一定温度(うちの場合、12℃位を超えると)冷蔵機能が停止することがあります。なので毎年7/20-8/20辺りの盛夏時期が要注意です。
ちなみに、もし、このような冷蔵庫設備を導入することを考える場合、棚の高さの「調整幅がどれくらいあるか」を十分に下調べしたほうが良いです。入れられる瓶の数が大きく左右されます。最近の冷蔵庫は、あまり調整ができないので注意です。
私の場合、M瓶とS瓶の全高を計測したうえで、棚の調整幅を事前質問し、また、メーカーの仕様書も確認して応札しました(古い冷蔵庫の方が調整できることが多い)。
購入後に「思ったほど詰められない」というのは泣くに泣けません。
次に画像がなくて恐縮ですが、加温は先述のとおりピタリ適温3号を2枚、冷蔵庫に入れています。
こちらについては詳しい説明は割愛しますが、元々は爬虫類・両生類等低温に弱い小動物に対し、ケースの底面に置いて42℃±5℃で加温する「ヒーター」です。よって、オオクワガタの場合もこの「ヒーター機能」を加温用に使っているということです。
ちなみに価格は、新品だと3,500円強/枚です。こちらもたまに中古が出回っていますが、中古でもそれほど価格は下がらない印象があります。また、当たり前のことですが、加温するための機材であるため、ヤフオク等で中古品を購入するなら、需要が低い・暑いこの時期(春から夏)が狙い目です。
=まとめ=
○のこと
・とにかく温度管理は手間いらず、安心(停電時も、設定温度に自動復元)
・一度揃えると、ランニングコストが安価
・案外省スペース
×のこと
・イニシャルコストがそれなりに掛かる(すべて購入の場合、中古でも2万円強/台)
・冷蔵室の容積・棚の高さ調整程度により、詰められる瓶数に制約がある(L瓶となると更に収容量が限定される。なので大型血統には不向き)
・冷蔵庫に入れた僅かなコンセント隙間から、ゴキブリが侵入していること有り(特に夏場と冬場。快適ですからね)
以上、いかがでしたでしょうか? ここまで設備をするとまさに「クワガタ道楽」ですね(笑)。ご参考になるのか、悪い方に引っ張っているのか微妙ですが、今年も幼虫飼育の肝の一つ、夏場を乗り切りたいと思います。
以上